たおやかさと無邪気さと- 東フィル「マーラー第四番」
昨日の、東フィル・オペラシティ定期のことを。
私のdiaryはクラシック評論日記ではないのですが、東フィルのことやクラシック音楽のことを少しだけ書くことで、ちょっと身近に感じて頂ければと思っています。
昨日はさらっと書いてしまったのですが、指揮者のチョン・ミョンフン氏は世界屈指の指揮者、前半プログラムでルトスワフスキのピアノコンチェルトを弾いたクリスチャン・ツィメルマン氏は世界最高峰のピアニストで、加えて、この曲は氏自身に捧げられた曲なのでした。
でも、私が「天上」だと思ったのは、実は、大好きなマーラー4番の第四楽章のはじめに舞台下手(左側)から「周りの空気を動かさない」くらいの静けさ、でも、堂々たるオーラであらわれたソプラノ歌手の森 麻季さんに圧倒されたことも理由のひとつだったのです。
彼女は、私にとってずっと「儚いくらいに美しいけれど、どうしても声量が足りないトップクラスのソプラノ歌手」だったのですが、歌い出す瞬間の構えを見たとき、なぜか釘付けになって身を乗り出しました。
ドレスは、モノトーンの、マーメイドラインがきわどさぎりぎりに美しいゴブランのような生地で、デコルテがぐっと開いたものでした。ゆたかな栗色の髪は優雅に巻かれ、肩から大きく開いた背中へと流れていました。
その姿が、とてつもなく美しい!のでした。最高です。
なにかが彼女を変えたのかしらと、彼女のHPにお邪魔して、9月にお子さんが生まれたことを知りました。お人形さんのような美しさだけではなく、オペラ歌手としての楽器に相当するボディも変わったのかもしれません。女性としての身のこなしやすべてがディーバ(歌姫)そのものでした。偶然に知ったことですが、心からお祝いしたいと思います。
オケも良かったのです。出だしからずっと繰り返される木管のフレーズが、乾いた空気の昨日は最高に美しく響き、打楽器もほかの楽器にも非の打ち所がなく、そしてもちろんチョン氏の、オケに対する信頼感がはっきり感じられました。オケが東フィルらしい素晴らしい音で魅了してくれたことは、言うまでもありません。
自然で自由で、そして幸福感に充ち満ちている、そんなマーラーでした。
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